【2×××年 夢袋】「インスタントラーメン」編(産経新聞)

 ■健康 かつ お湯いらずに?

 日本でインスタントラーメンが生まれてから半世紀以上が過ぎた。お湯をかけるだけで食べられる簡便さが支持され、日本だけでなく世界中で愛される食品に成長した。品質向上も年々進み、宇宙食用のインスタントラーメンが開発されるまでの進化を遂げた。その未来像は−。(森本昌彦)

 ◆1人年間40食超

 「40・9食」。社団法人日本即席食品工業協会(東京都台東区)の平成20年度の調査では日本に住む人1人当たり、これだけのインスタントラーメンを食べている。0・1食だった昭和33年度の400倍以上だ。

 世界ラーメン協会(大阪府池田市)によると、全世界での2008年の消費量は936億食。最もインスタントラーメンを食べている国は中国・香港で、日本はインドネシアに続く3位。日本生まれの「世界食」だ。

 インスタントラーメンが産声を上げたのは、昭和33年。日清食品(大阪市淀川区)の創業者、故安藤百福さんが自宅で発明した「チキンラーメン」が発売された。46年には、世界初のカップめんである「カップヌードル」を発売。翌年に起きたあさま山荘事件で機動隊員らが「カップヌードル」を食べている光景がテレビで生中継されたのをきっかけに、大ヒットしたのは有名なエピソードだ。

 同社だけを見ても、その後の進歩はめざましい。カロリー面では、昨年1月に発売された「カップヌードルライト」。めんを油で揚げないことなどで従来品の半分程度の198キロカロリーを実現した。機能面でも水を入れて電子レンジで調理できるカップめんも発売されている。

 さらに宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同で、宇宙で食べられるインスタントラーメンも開発。2005年に宇宙飛行士の野口聡一さんがスペースシャトルに搭乗した際に味わった。

 ◆可能性はいろいろ

 同社以外にもさまざまなメーカーがインスタントラーメンを発売しており、小売店には多彩な商品が並ぶ。そのインスタントラーメンは将来、何を極めるのか。

 「ラーメン自体何をやっても個性になり、許される。インスタントラーメンは色々な可能性を秘めています」。インスタントラーメンに詳しいフードジャーナリスト、はんつ遠藤さんはこう語る。

 遠藤さんが予想するのは、健康に良いインスタントラーメン。「『インスタントラーメン=体に良くない』というイメージがあるが真逆になってほしいし、そうなってくるはず。50年後には気軽に味わえる健康食の代名詞になっているのでは」

 さらに、機能面では「お湯なし」をポイントに挙げる。「お湯がないと駄目ということがインスタントラーメンの最大のウイークポイント。開けたら何かの装置で熱々のラーメンができあがるものがほしい」

 健康かつお湯いらずの簡単さが、未来のインスタントラーメンのキーワードといえそうだ。

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